SOUND

居場所を壊すのは、いつだって自分だった。

『役立たず』と怒鳴りつける声が、
今も耳にこびりついている。

怒りや屈辱をもう一つの人格に押し付け続けた
代償は、大切な居場所が次々と壊れていく
ことだった。

心を許した友人も、
やがて怯えた目を私に向けた。

自分のような人間は、きっと誰とも
わかり合えることなく生涯を終えるのだろう。

人の輪の外側にいる虚しさは、
きっと当事者にしかわからない。

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