SOUND

自分の弱さを暴力で誤魔化した。それが過ちだと、本当は気づいていた。

口を開けば馬鹿にされて笑われた。

言い返すことはできないから、
拳で相手を黙らせた。

そんなことを繰り返すうちに、
いつの間にか周りには誰もいなくなっていた。

母親。

唯一のダチ。

大事なものがいくつかあったはずなのに、
気がつけば俺には何もなくなっていた。

かつて交わした、真っ当に生きるという約束を
今も俺は守れずにいる。

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