SOUND

どうして、こんな結末を選んでしまったんだろう。

冷たい地面に叩きつけられた体に、
温もりを感じる。

全身を貫く痛みよりも、頬に落ちた兄の
涙の熱が、ずっと苦しかった。

ただ、兄に心配をかけたくなかっただけなのに。

結局、一番深い傷を兄に与えてしまったの
かもしれない。

兄の涙を拭いたいけれど、
もう指一本動かせない。

最期に聞こえたのは、兄の悲痛な声だった。

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