SOUND

俺の終わりが、弟の始まりになるのなら。

鉄錆の匂いが鼻をつく、薄暗い路地裏。

この手は、息をするように罪を重ねてきた。

守りたいものがあるのに、
守るためのこの手はあまりに汚れている。

見知らぬ誰かを踏み台にしながら、
生き永らえてきた。

こんなふうに生き続ける日々も、
そう長くは続かないだろう。

俺のことはもうどうでもいい。

那由汰がこの先、腹いっぱい飯を食って、
笑って生きていけるなら。

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