SOUND

<span class="u-font-spacing u-font-spacing--head">『</span>5番』<span class="u-font-spacing">と</span>呼ばれるだけの存在だった。

消毒液の匂いが染みついた無機質な部屋。

同じように番号をつけられた人間が、
日に日に弱っていくのが気配で伝わる。

逃れられない運命のように、
やがてこの身体もそうなるのだろう。

『5番』で終わりにしてほしいと願う一方で、
心の奥底では誰かを求めてしまう。

そんな自分を許せないまま、
孤独だけが心を蝕んでいった。

ON
OFF