SOUND

9歳で、僕の居場所はなくなった。

捨てられるようにして海をわたり、
たどり着いた広すぎる部屋。

その箱は殺風景で、
耳が痛いほどの静寂が虚しく響いた。

耳慣れない言葉が飛び交う教室と、
この小さな箱を往復するだけの日々。

机に向かい鉛筆を握っても、
この時間がボクをどこへ連れて行くのか
わからない。

誰にも必要とされないボクが、
息を殺して生きる意味なんて、
どこにもなかった。

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