SOUND

<span class="u-font-spacing u-font-spacing--head">『</span>跡取りとして』それは、思考を止める呪いだった。

父の書斎に並ぶ、専門書の数々。

それが僕の未来の縮図だと、
疑うことさえ知らなかった。

尊敬する父が示す道は絶対で、
背くことなどありえない。

それなのに、ペンを走らせる音が、
やけに遠く聞こえるのはなぜだろう。

誰もが語る『夢』というものが、
インクの染みのように滲んで、
本当の意味を理解しようとしなかった。

夢を持たない僕がこの道を歩ききった時、
そこには何が残るのだろう。

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