SOUND


物心ついたときから、消えない違和感が
胸にあった。
それを押し殺して、周りの『普通』に
無理やり合わせて、そのたびに心が
擦り切れていくような痛みを覚えていた。
やがて不安や疑問ばかりが
無視できないほどに膨らんでいって、
だから僕は一縷の望みをかけて、打ち明けた。
「普通に育ててあげられなくてごめんね」
母が泣きながら放った一言が、
僕に残酷な答えを突きつけた。
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