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BGM

MISSING

cozmez

REGRET

悪漢奴等

PROGRESS

BAE

SACRIFICE

AMPRULE

DEPENDENCE

VISTY

SORROW

1Nm8

PREJUDICE

獄Luck

MELANCHOLY

The Cat's Whiskers

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©Paradox Live2022

Text

遠くで誰かが争う声と、水の腐った匂い。

ゴミ袋みたいに丸まった、スラム育ちの子どもが2人。

肌を刺すような冷たい風を、
身を寄せ合ってしのいでいた。

愛情深い両親が待つ、暖かな家。
腹いっぱいに食べられる、温かな食事。

世間で語られる『当たり前』が、
どうしてか俺たちには与えられなかった。

飢えと寒さが、重たい眠気を連れてくる。

『次に目が覚めたとき、
どうか隣にある温もりが失われていませんように』

信じてもいない神様に祈りながら、
静かにまぶたを閉じた。

MISSING

cozmez

Text

平穏は唐突に終わりを告げた。

赤黒く染まった事務所。
物言わぬ骸になった、家族のように大切な仲間たち。

目を背けたくなるような絶望が、一面に広がっていた。

明日も当たり前に続くと信じていた日常は、
理不尽に奪われてしまった。

誰が、いったいどうして。

答えのない疑問への苛立ちは、
やがて燃えるような憤りに変わっていく。

――このままでは終わらせない。

血を吐くようなつぶやきが、薄暗い部屋に溶けていった。

REGRET

悪漢奴等

Text

夕日に染まる放課後、誰もいない高校の教室。

まるで世界から切り離されたかのような、
3人だけの居場所。

スキルは未熟で、リリックは拙くて、
目指す未来はどうしようもなく遠い。

けれど伝えたい想いだけは溢れるほどあって。

寄る辺ない不安を振り払うように、
荒削りな自己表現をラップに乗せていた。

もっと先へ、誰よりも速く。走り続けよう。

いつの日か大切な仲間と共に、
歴史に名を刻む何者かになれると信じて。

PROGRESS

BAE

Text

豪奢な屋敷は、小さな鳥かごのようだった。

誰よりも恵まれた環境。誰よりも優れた血統。

向けられる期待に応えようとすればするほど、
自分自身の輪郭が失われていく。

父と母はいつだって、
ここにいない誰かと僕を比べていた。

優秀でいなければならない。

聡明でいなければならない。

完璧でいなければならない。

その強迫観念はいつしか呪いとなって、
やがて『僕』を殺すだろう。

SACRIFICE

AMPRULE

Text

心のどこかでわかっていた。

スポットライトを浴びているのは自分じゃないってこと。

努力だけじゃ乗り越えられない壁があるってこと。

どうあがいても、
僕らは『天才』にはなれないんだってこと。

それでもいつかは誰より輝く一番星になりたくて。

暗闇の中で泣いている、
誰かに寄り添える存在でありたくて。

精一杯背伸びして、悔しさを飲み込んで、
今も必死に藻掻き続けてる。

DEPENDENCE

VISTY

Text

見知らぬ街の雑踏の中、耳に届いた清冽な音色。

遠い追憶を呼び起こすような、無垢で美しい旋律。

それは間違いなく、
ずっとずっと探していた弟の演奏だった。

思い出の中にいる弟はいつまでも、
僕の後ろをついてくる小さな少年のままだったのに。

数年ぶりに見る君の姿かたちはすっかり変わっていて、
なぜだか無性に泣きたくなった。

待ち望んだ再会なのに、
叫び出したいほど嬉しいはずなのに、
かける言葉が見つからなくて。

柔らかな陽光に包まれて、
楽しげにストリートピアノを弾く君の背中を

しばらく見つめていた。

SORROW

1Nm8

Text

差別と偏見、無理解と中傷。

あちこちからぶつけられる不躾な視線が、
少しずつ心を腐らせていく。

夢とか希望とか、愛とか未来とか。

世の中が美しいともてはやすそれらを、
無邪気に信じられたらどんなによかったか。

手持ちのカードは生まれたときから決まっていて、

人生をひっくり返すことは死ぬより難しい。

『誰かに理解されたい』

『ありのままの自分を見てほしい』

そんなちっぽけな願望を口にすることさえできないまま、

監獄の中で虚しく息を殺していた。

PREJUDICE

獄Luck

Text

鈍色の雲が空を覆い、悲哀を湛えた雨が降る。

温もりを教えてくれた優しい人は、
今は冷たい墓石の下で眠っている。

何度季節が巡ろうと、
喪失の痛みが消えることは決してないけれど。

『音楽は、ヒトとヒトをつなぐ』

その言葉どおりに新しく紡がれた縁があって、

4つの出会いは奇跡のような旋律を生み出した。

歌い続けよう。過去を愛し、
未来へと遺志をつなげるために。

あなたがくれた光を、誰かに届けられるように。

MELANCHOLY

The Cat's Whiskers